Google AdSenseが事業上の最も重要な収益源であるWebメディア企業は多く存在します。ネットワーク網の大きさや比較的高いCPCやeCPM、充実した広告形式など、SSPが広まりつつある現在でも、Google AdSenseはWebメディア企業にとってとても重要な収益源です。
しかし、AdSenseはアカウントの審査も厳しく、時にAdSenseのアカウントが一瞬で停止されてしまい、収益が突然ほぼ0になるケースも存在します。
これは事業上の大きなリスクであり、プラットフォーム依存型ビジネスの弱点でもあります。
突然アカウントが無効化、収益が0円に
2015年9月のAdSense公式フォーラムにて、何の前触れも無く突然AdSenseアカウントが無効化された事を伝える内容が投稿されています。
▼アドセンスヘルプフォーラム
2015年9月10日 コピーコンテンツとしてAdSenseアカウントが無効になりました
Webサイトに掲載していたコンテンツが「コピーコンテンツ」とGoogleに判断され、所定のフローを踏まず突然AdSenseアカウントが無効化されたとの事。
こちらの方は、オリジナルのコンテンツのみをWebサイトに掲載しており、月100万円をAdSenseで得ていた様ですが、突然のアカウント停止で収益が一夜にして0円になってしまった様です。
NaverまとめもAdSense停止処置を受けていた
AdSenseの審査でコピーコンテンツが原因で広告配信が停止されたり、アカウントが無効化されるケースは他にもあります。
その有名なケースとしてNaverまとめのAdSense停止があります。
Naverまとめがアクセス数を伸ばし始めていた2011年頃、突然広告枠からAdSenseが消えました。当時の状況を伝えるニュース記事(ITメディア)には、著作権の侵害が原因でGoogle側が配信停止処置を行ったが、その解釈が曖昧な為、運営側(現Line)は困惑していると書かれています。
「コピーコンテンツ」は禁止コンテンツとして指定されている
GoogleAdSenseは、そのネットワーク網の大きさから様々な広告主やパブリッシャーが参加しており、Googleの大きな収益源にもなっています。
広告ネットワーク網の健全性や商品価値を維持する為、非常に厳格な広告ポリシーを定めており、サイト運営者はAdSenseを配信し続ける限り、ポリシーに準ずる運営を行わなければなりません。
指定されている禁止コンテンツの中に、「著作権で保護されているコンテンツ」があり、その対象例として不正にコピーした動画や音声ファイルの配信や、海賊版を掲載する他のWebサイトへリンクする事も禁止対象と説明しています。
この「海賊版を含むページへのリンク」という内容は、Naverまとめのアカウント停止処置理由でもある「著作権を侵害した動画を流しているYoutubeページへのリンクが含まれている為」に該当していたのかもしれません。
コピーコンテンツがもたらすリスク
コピーコンテンツ対策と言うと、以前はSEO対策というイメージが強かったと思います。
これは、パンダアップデートのリリースにより、低品質コンテンツを掲載しているWebページやドメインは順位下落の処置が加えられる事もあり、その対策としてコピーコンテンツページをnoindex化したり、コンテンツのコピーチェックを行う傾向にあったからだと思います。
しかし、昨今ではSEOのみならず、広告配信やレンタルサーバー、ドメインなどWebサイト運営の根幹とも言える箇所まで厳しく処置が加えられるようになりました。
今回はAdSenseによるアカウント停止のケースを取り上げましたが、国内のSSPやアドネットワーク、アフィリエイトASPも同様に著作権侵害するWebサイトに対しアカウント停止など行う旨をその規約に記載しています。
又、プロバイダー責任制限法により著作権侵害が認められた場合、レンタルサーバー会社はサーバーの提供を停止ケースもあります。
トラフィックの減少から収益源のストップ、はたまたサイトそのものが停止する等、意図的・非意図的に関わらずコピーコンテンツの掲載はサイト運営にとって多くのリスクを含みます。
リスクを排除する上でもコンテンツのオリジナルをチェックし、Webサイト内のコンテンツ健全性を常時保つ必要があります。